株式会社オートプロジェクト

在庫管理とEC受注を効率化 – 自動引当とデータ連携で作業負荷を大幅削減した事例

在庫管理とEC受注を効率化 – 自動引当とデータ連携で作業負荷を大幅削減した事例

依頼の背景 – 在庫と受注のズレがもたらす非効率の解消

A社では既存の在庫管理システムを使用していましたが、受注から在庫管理、仕入れ、オーダー管理までの業務において、効率化や在庫の正確な把握に課題がありました。

特に、同システムには「引当」の概念がなく、受注があっても売上処理を行わなければ在庫が減らず、発注計画やフォーキャストへの反映が困難でした。また、ECサイトからの受注や倉庫への出荷依頼も手作業での対応が多く、作業時間がかかる上にヒューマンエラーのリスクもありました。

さらに、仕入処理や在庫管理、オーダー可否の判断においても、データの一括処理や連動が十分でなく、「“完成品”と“生産中”在庫の区別がない」「倉庫別の在庫状況が把握しづらい」といった問題が生じていました。

加えて、A社では特定の企業との取引において、通常とは異なる処理フローや管理方法が必要とされていました。これらのA社特有の条件もシステム上に反映させることで、業務全体を一元的に管理し、システム全体を最適化したいという要望がありました。

このような背景から、在庫管理を中心としたシステム全体のリプレイスによる改善が求められていました。

顧客の希望仕様

A社では、以下の改善を希望しています。

在庫管理

① 引当・取置との連動

売上を立てなくても、引当・取置に応じて引当可能在庫が変動するようにしたい。

② 発注残数の詳細管理

完成品や生産中の数量を区別して、発注残として把握できるようにしたい。

③ 倉庫別在庫状況の明確化

フリー在庫や国外在庫の完成数・生産中数を一目で確認できるようにしたい。

受注・引当

① オンライン受注の自動引当

受注が発生した際に、在庫から自動で引当を行い、在庫が連動して減るようにしたい。

② 特定企業からの受注や手入力受注

特定企業からの受注については例外的に、自動引当ではなく手動で引当を行い、在庫と連動させたい。

③ 受注伝票の一覧管理

複数の伝票を選択して一覧で確認し、その場で引当や確定が可能にしたい。

④ 取置伝票の在庫連動

取置伝票を入力した際に、引当可能在庫が連動するようにしたい。

オーダー可否管理

① 過不足の把握

工場への発注数と販社受注の未引当数を比較し、過不足を自動で算出できるようにしたい。

② MOQの反映

システムの商品データからMOQを参照し、発注必要数や過不足に反映させたい。

③ 出荷実績・実売数の取り込み

直近3か月の出荷実績や特定企業の実売データを取り込み、反映させたい。

④ 消化月数・回転率の可視化

消化月数や回転率を色付けなどで視覚的に確認できるようにしたい。

仕入処理

① 仕入伝票の一括取り込み

型番ごとに転記していた仕入処理を、取り込みによる一括処理で効率化したい。

② 発注書番号の管理

受注と発注書番号を紐付け、インボイスに自動転記できるようにしたい。

③ 新システム情報との連動

インボイスと当システムのデータを紐付け、取り込みを可能にしたい。

ECサイト関連

① 自動引当の実装

ECシステムからの受注データを当システムと連動させ、受注時に自動で在庫から引当ができるようにしたい。

② 受注日時の詳細反映

受注伝票に時刻まで反映させ、特定時刻までの受注を当日出荷対象として処理できるようにしたい。

③ 一括売上処理

選択した受注伝票をまとめて売上処理できるようにし、作業時間を短縮したい。

④ 納品転記の省略

不要な納品転記の過程を省き、受注から直接売上に反映させたい。

⑤ 倉庫への出荷依頼の簡略化

当システムで出力したデータをそのまま出荷依頼に利用できるようにしたい。


オートプロジェクトが行った開発・対応

当社では、旧システムで行っていた多くのカスタマイズを丁寧に分析し、新システム上でも同等の処理が実現できるように開発を行いました。単に既存機能を再現するだけでなく、画面遷移を減らして一度に複数の処理を行えるようにするなど、操作の効率化も図り、ユーザーがよりスムーズに業務を進められる環境を整えました。

また、ECサイトとのシステム連携も新たに開発し、受注から在庫管理までの一連の流れを自動化することで、作業時間の短縮とヒューマンエラーの防止を実現しました。

さらに、一定期間は現行システムと新システムを並行稼働させ、同じ処理を行った際に数値に差異が出ないかを徹底的に検証する体制を構築しました。これにより、安心して移行できるよう万全の対策を整えました。


導入効果

本システムの導入により、以下の効果を得ることができました。

  1. 受注・仕入・在庫管理の作業時間が大幅に短縮
  2. データの正確性が向上し、転記ミスや在庫過不足のリスクを低減
  3. 管理者が在庫状況や発注状況を一目で把握でき、業務効率が向上

これにより、従来手作業で行っていた業務を大幅に効率化し、EC受注や倉庫管理の精度を高めることができました。

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