株式会社オートプロジェクト

高収益企業の作り方 稲盛和夫

高収益企業の作り方 稲盛和夫

はじめに

『高収益企業の作り方』は、稲盛和夫氏が主宰する盛和塾における質疑応答をもとに編まれた一冊である。経営の最前線に立つ経営者たちが抱える、きわめて具体的な悩みに対し、稲盛氏が明確かつ実践的な答えを示している点が大きな特徴だ。

盛和塾は、真摯に経営を学ぼうとする経営者の集まりであり、業種や規模を超えて、全国・海外から延べ15,000名を超える塾生が参加。中には塾生への営業を目的として参加する人もいただろうが、多くの参加者は「自社をより良くしたい」という純粋な動機で学びの場に身を置いていた。

稲盛和夫氏の著書には、人生観や経営哲学を深く掘り下げたものが多く、それらはどちらかといえば一般向け、あるいは思想書として読まれることが多い。一方で本書は、日々の経営判断や組織運営といった現場の悩みをテーマとしており、より実務に近い、ビジネスパーソン向けの内容となっている。

本書に登場する企業は、売上規模や従業員数において、中小企業の中でも一段上のフェーズにある会社が多い。しかし、そこで語られている考え方や判断基準は、小規模事業者にも十分に通用する。

現在、私が代表を務める株式会社オートプロジェクトも小規模事業者である。本稿では、その立場から本書に書かれている内容の中でも特に印象に残った三つのポイントを取り上げ、それに対する私自身の考えを述べていきたい。

3つのポイント

① 下請け企業が自社ブランドを展開したいという誘惑

ある下請け企業が、事業拡大を目指して自社ブランドの展開を検討した。その相談に対し、稲盛和夫氏は
「下請けに徹し、生産性を十倍に上げることを考えなさい」
と答えている。

これは私にとって非常に衝撃的な回答だった。下請けから脱却し、自社ブランドを育てる方向性を勧めるものだと思い込んでいたからである。さらに稲盛氏は、自社ブランドについて「下請けメーカーにとって悪魔の誘惑である」とまで言い切り、その理由を具体的な数字を用いて説明している。そして、「下請けとして一流になれ」という明確な結論を示した。

私自身、現在も請負業務を行いながら、請負よりも独自サービスの方が価値があるのではないかと考え、開発を進めている部分がある。そのため、この言葉は自分の考え方を大きく見直すきっかけとなった。

どうしても「自社ブランド=良いもの」と考えてしまいがちだが、実際には自社ブランドは開発・販売・在庫・マーケティングと、経営者に大きな負荷を強いる事業である。稲盛氏の言う通り、決して簡単な道ではない。

下請け、請負、自社ブランド──どれが正解かは一概には言えず、最終的には経営者自身の性格や強み、覚悟に大きく左右されるのだと思う。
安易に「自社ブランドをやるべきだ」と決めつけるのではなく、自分は何に向いているのか、どこで勝負すべきなのかを冷静に見極める必要がある。

②生産性を上げるための発想の転換

稲盛和夫氏は、生産性向上の話の中でコスト削減についても触れている。その際に紹介されていたのが、松下幸之助氏のエピソードである。

松下電器でコスト削減の会議をしていた際、
「みなさんね、一割下がらんのやったら、三割下げることを考えたらどうや」
と言い残して会議を終えたという話だ。

これは単なる数字の話ではなく、「既存の枠を壊して考えよ」という強いメッセージである。

売上目標やコスト削減を考えるとき、無意識のうちに「現実的な範囲」で思考を止めてしまっていないだろうか。もしそうであれば、それは発想の転換が必要なサインかもしれない。

利益率についても同じである。
結局のところ、生産性も利益も、根本は「どう考えるか」に大きく左右される。数字以前に、思考の枠を疑う姿勢が問われているのだと感じた。

③ホテル改修に見る「お金をかけない投資」

あるホテル経営者が、施設を綺麗にするために5億円の借入をして大規模改修を行おうと相談した際、稲盛和夫氏は
「借入を重ねるより、パッチワークによるリニューアルを考えなさい」
と答えている。

業者任せで一気に改修するのではなく、自分たちでペンキを塗る、少しずつ直すといった工夫によって経費を抑えるべきだという考え方である。あわせて、京セラ三田工場で、汚れた工場を従業員自らの手で清掃・改修し、その結果、業績が向上した事例も紹介されている。

「投資だから」と安易に借入をしてお金を使うのではなく、
自分たちの手で工夫し、知恵と労力で改善する
という姿勢が重要なのだ。

ホテル業での改修というと、どうしても「プロに任せるもの」という固定観念がある。しかし実際には、自分たちでできることは数多く存在する。この事例は、工夫次第でコスト削減と価値向上を同時に実現できることを教えてくれる。

自分自身の経営においても、常にこの視点を忘れてはいけないと強く感じた。

まとめ

本書には、自分の想定とはまったく異なる回答が数多く示されており、その一つひとつが大きな気づきとなった。これまで当然だと思っていた考え方の甘さや思い込みに気づかされ、経営とは常に自分自身の考えを疑い続ける営みなのだと改めて感じた。学びを机上の空論で終わらせるのではなく、すべてを実際の仕事に結びつけて考えさせてくれる、非常に実践的な良書である。

経営十二ヶ条には「売上を最大限にし、経費を最小限に抑える」という言葉がある。売上を伸ばすことも、経費を抑えることも、特別な魔法があるわけではなく、その根底にあるのは日々の創意工夫にほかならない。本書を通じて、自分は本当に創意工夫を尽くしているのか、惰性で判断していないかを振り返るきっかけを得た。

目的を明確にし、その実現のためにどのような目標を立て、どこまで本気でやり切れているのか。
本書は、経営者としての姿勢そのものを静かに、しかし厳しく問い直してくれる一冊であった。

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