現地に行かないと分からなかったを解消 – 河川堤防センサの検知をメールで自動通知
依頼の背景 – センサが反応しても、現地に行かなければ気づけない
A社では、堤防に埋設したカプセル型センサが動いた際に発信される無線信号を、現地の受信装置で受け取る仕組みを運用していました。ただし、受信装置は信号を受け取るところまでが役割で、どのセンサがいつ反応したのかを離れた場所から知る手段がありませんでした。
そのため、異常の兆候を把握できるのは現地を確認したタイミングに限られ、出水期など「すぐに知りたい」場面ほど確認が追いつかない状態でした。また、受信装置や電源、通信が止まってしまった場合でも「信号が来ていないだけなのか、システムが停止しているのか」を切り分けられず、無反応が正常なのかどうか判断できないという不安も残っていました。
そこで、受信装置から得られる情報をそのまま関係者へ届け、あわせてシステム自体が動いていることも確認できる仕組みが求められていました。
オートプロジェクトが行った開発内容
現地の受信装置にRaspberry Piを接続し、センサの反応を検知してメールで自動通知するシステムを構築しました。
- 受信装置との常時連携によるセンサ検知
Raspberry Piをシリアル接続で受信装置とつなぎ、センサから届く信号を24時間受信し続ける仕組みにしました。受信した信号から送信モジュールのIDを取り出し、リアルタイムに判定します。 - センサIDと埋設位置のひも付け
センサIDと堤防上の埋設位置の対応表をCSVで管理し、通知内容に「どの地点のセンサが反応したのか」が入るようにしました。センサの追加や位置の変更があっても、CSVを書き換えるだけで運用を続けられます。 - 通知内容に応じた宛先の自動振り分け
配信先リストをCSVで管理し、「検知の通知だけ受け取りたい」「定時の通知も受け取りたい」といった希望に応じて、送信先を自動で切り替えるようにしました。担当者の追加・変更もリストの編集だけで対応できます。 - 1日1回の定時通知によるシステムの死活監視
受信装置内に設置した基準センサからの信号をもとに、システムが正常に動作していることを確認し、1日1回、決まった時刻に「伝送系正常」の通知を送るようにしました。通知が届かないこと自体が異常のサインとなり、無反応の意味を判断できるようになっています。 - 現場で切り替えられる運用モードと通知時刻の設定
「監視」「試験」「現場試験」の運用モードと、定時通知の時刻を設定ファイルで変更できるようにしました。現地での試験時には試験用の宛先にだけ通知が飛ぶため、本番の関係者に試験メールが届くことはありません。 - 電源復旧・異常停止に備えた自動起動の仕組み
プログラムはRaspberry Piの起動と同時に自動で立ち上がり、何らかの理由で停止した場合も自動的に再開するようにしました。停電後の復電時などでも、現地に人が行かずに監視が続きます。
結果と効果 – 現地に行かずに検知を把握でき、無反応の意味も分かる運用に
センサが反応した時点で関係者のメールに通知が届くようになり、現地を確認しなくても、どの地点で何が起きているかを把握できるようになりました。通知には埋設位置が入っているため、受け取ったその場で状況を判断し、次の動きにつなげられます。
また、1日1回の定時通知によって「通知が来ない=正常」ではなく「通知が来ている=正常」と確認できるようになり、システムが動いているかどうかを日常的に把握できる運用になりました。設定ファイルと配信先リストで運用を調整できるため、担当者の入れ替わりや試験対応も、開発側の作業を待たずに現場側で進められます。
現地でしか分からなかった情報を、必要な人へ自動的に届ける。今回のように、既存の装置をそのまま活かしながら、その先の「気づける仕組み」だけを追加する開発も承っています。同じような現場の監視や通知の自動化でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

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